黄色い飴のピン/由比良 倖
 
ノートは大きなホワイトボードのよう
夢は夢の武器のよう
優しさは薄い薄いピンク色をして
でもしっかりレモンのパイのよう
寒い寒い東京をひとりで歩いた
その透明な そしてお菓子屋さんの匂いのような

理念よりも妄想が必要だ
妄想は現実に近いから
日本人はとても弱くて
弱いは強いことだから
未来は多分世界的に
日本的になるんだろう
(私のこの筆跡を感じてください)

うっとりするような真夜中 そして朝焼け
その透明な空気を、分配出来たなら
世界はすぃーっと、平和になるのに
(安定剤混じりの透明ではあるけれど)

夕暮れの訪れまでの時間
言葉で心を埋めていこう
芭蕉は東海道と言ったけど
今は都市とヴァーチャルの時代

黄色いパイの鋭角を
あなたにも刺してあげたい
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