しあはせ秋/
ひだかたけし
ちいさなやはらかなあなたの手が
わたしのかたい手から離れたとき
到来した秋の空はどこまでも青く高く
知らないうちに路傍の小花は咲き開き
ずっとずっと一緒だよといふ声
どこかからどこからも響き来て
曲線描きゆるり交わり飛ぶ黄蝶の二匹を乗せ
吹き抜ける涼やかな風が実にしあはせだった
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