還る言葉/ひだかたけし
 
そよいでいるそよいでいる
涼風にそよいでいる
ゆったりとゆっくりと
のびのび伸びゆき
声が言葉が
内面の細やかな
発露を求め現し
言の葉の種を蒔いた
宙の宇宙に焦がれながら
みずみずしい気を吐きながら

 分け入る未知は私の未知
  私の未知は私という言葉
  私という言葉は自らのみを指す
 自らのみを刺し貫く

みずみずしい気を吐きながら
内の宇宙に問い掛けながら
言の葉の種を新たに蒔いて
内面の発露を求め現し
声が言葉が細やかに
残された時に広がりゆく
ゆっくりゆったりと
秋の涼風にそよぎながら
今日もこの一日終えながら

戦いで居る、泳いで居る










 






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