依存症/田中教平/Kou
酒は脳を麻痺させて
昨日の夕方には足の指に
電気が流れたようだった
──依存症はね、暮らしを抜本的に
変えたいと思っている人ほどなりやすいの──
今朝の仕事は朝七時からだった
さくばん
朝五時に起きられる状態ではなかった
仕事はキャンセルした
さくばん
僕は何をしていたか?
トリスの瓶のウィスキーをキッチンのシンクに
思いっきりぶちかまして棄てていた
僕は眠りわずらい
純になれば純になろうとするほど
洗濯機の水槽内の洗濯物みたいにグチャグチャだ
そもそもなんで純になりたい?
変わらない自分でいることもゆるされるのか?
懸命洗濯物を干していたらなぜか幸福になっていた
もうお酒は断つよ
その前は7年断っていたんだから・・・
終えると
キッチンで立ちながら
ヨーグルトを食べた
戻る 編 削 Point(4)