一、二の散詩。冷え切った老廃物としての我が思考の塊の断片/鏡文志
浅瀬の小川で、筆ペンを水に晒し、まとまらない言葉が水に溶け、散っていくのを見るのが、好きだ。
流行り言葉は乱れ言葉ではなく、流れ言葉。ヒラヒラのスカートのように風に揺れ、時の流れの中で色気を放つ。
夜の闇の中で動物が獣の叫びをあげ、豪速球で吹く風と、それに異和を説く声も、ここでは聞こえない。
言葉はシャワーのように浴槽で悶えながら、四角く設定された人工空間の中に深く浅く、女の喘ぎ声のように木霊し、消えていく。
散歩でもしよう。朝の散歩は体にいいから。体を上下に揺らし、留まった電磁波を風に晒し、野に放ちて心を休めよう。散歩は散らして歩くと書く。まとまらない思考をまとめるでもなく、まとめる必要
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)