Psyco killer/中田満帆
 

               リナ・サワヤマのNME記事を片手に

 芝の泥濘みにつまづいてふりかえったときには
 きみの寝室から火の手があがっていたんだ
 おれにはよくわからない
 おれのことぜんぶが
 やがてサイレンが迫るなかで、
 電気工作の授業のとき厭な教師のばかたれがおれに囁いた言辞とか、
 舌がからみそうなほどに不愉快な父親の長い説教だったり、
 スイッチの切れたテレビみたいに冷たい母親の態度やなんか、
 クラスメイトの生徒会長が話したくそ過ぎる業績だとか、
 あまりにも急な幕開けでおれの頭が喋り始めるんだ
 きみの望みは叶えられないし、
 そもそも望みっ
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