窓のある日々/
塔野夏子
君は淡いたそがれを纏って
窓にもたれていた
蜃気楼も虹も流星も
いつか共に見たその窓
その面影が
いまもこの部屋を染めている
君の言葉の記憶が きれいな水の雫のように
滴り落ちて 私を潤す
君のいない窓辺から
淡いたそがれが流れこむ
かなしさもさびしさもなく
君の面影を蜃気楼が虹が流星が
よぎる日々の果てに
やがて訪れる白銀の平静(アタラクシア)
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