おもえば、わたし。うつわにしづか/あらい
でしょう。かつての一歩も、すこしのあいだも。この場所に。あろうことか枝葉を認めたようだった。
心にも明るくない、自分のカドが取れて
空、と尋ねて惑わされ/薄くなり
多分倒れている 燐寸を擦るに違いなかった――
緑錆は五月雨を信じない、だから口が割れる、投げ出した頭を、「ご迷惑じゃありませんかしら」それもそうだが/戦慄きすらない。今、澄んだ雪を食べるな。「でもねえ……」吃驚して振り向いた。
「――名残惜しくて、『ひかりのとどかないところに』」
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