数式の庭。原型その2/田中宏輔
 
イヤブロックそのものになった気がするのだった。
こういったときに、よく
わたしは、自身が数そのものになったような気がするのだった。
こういったときに、よく
わたしは、言葉そのものになったような気がするのだった。

それとも、ダイヤブロックそのものは、
なにかを目指してつくられたものではなかったのだろうか。
それとも、数そのものは
なにかを目指してつくられたものではなかったのだろうか。
それとも、言葉そのものは
なにかを目指してつくられたものではなかったのだろうか。
出来の良いわたしがあり
出来の悪いわたしがある。
良くもなく悪くもないわたしもあ
[次のページ]
戻る   Point(12)