数式の庭。原型その2/田中宏輔
 
れによって、言葉に関する問題、意識や無意識に関する問題、文学や芸術に関する問題などを、とても取り扱いやすい系で考えてやれることになるということである。
 極端であろうか。唐突であろうか。素っ頓狂であろうか。


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 事物・事象が精神と結びついたものであることは、現実の在り様から分明であるが、また文学作品が読み手の解釈と密接に結びついていて、読み手の解釈との関わりによってのみ、その作品のじっさいの在り様があるように(日常の言葉のやりとりにおいても、これは言えるのだが)、数式もまた、その数式の意味をどこまで知っているか、その数式があらわしているものと示唆するものが、どういったもので
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