数式の庭。原型その2/田中宏輔
う。
数にもできず
記号にもできず
数や
記号の定義にも関わりがないもの
それがなにか
わたしには
すぐに思いつくことができなかった。
思いついた
あらゆるものが
数と記号と
言葉でできているのだった。
その言葉というのも
すべて、記号がどういう意味をもつものなのか
その意味を与える言葉でしかなかった。
そんなものばかりしか思い浮かばなかったのだ。
もちろん、思い浮かばないから存在していないのではなく
思い浮かばないものではあるが
思い浮かばないものも存在していることは確信しているのであるが
やはり
数が宇宙をこしらえた
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