命のすべての闘いにおいて俺が語ることは/ホロウ・シカエルボク
 
る感覚を持つ、誇り高き不適合者だ、不適合って、馬鹿みたいな言葉だよな、自分以外のイデーに平気で染まることが出来る連中が言いそうなことだ、だってそうだろう、自分が基準だ、それが成り立たない世界は不自然なんだ、わかるか?安易な水準点など必要無いんだ、勘違いして欲しくないのは、俺が言っているのは利己主義的なことではないということだ、人間が本来の思考と品位を持って暮らすことが出来れば、それだけでいまよりもずっと美しい社会が成り立つと俺は考えているのさ、幼稚な連中の社会ごっこでお茶を濁す必要なんかもうなくなる、だから俺は書き続けている、でもね、俺が始めた話だけど、こんな考えはもうとっくに手遅れなんだ、つまり、社会云々についての話だけどね、人間はもう獣より少し賢いだけの生きものに成り下がってしまった、形骸化した美徳を抱いて滅びるのみさ、だからね、俺は書き続けて、その世界でも誰にも似ていない人間であろうと思っているのさ。

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