Season of Violence Author/おまる
 
船、なんでもござれ。雑誌「丸」の読者垂涎の軍事パレード状態となった。

これを見て石摩羅、「おれのたった一度の会見で、こんな大変な事態を作り上げたのだ」とみずからヒロイズムに悦に入っていた。 「この国は右も馬鹿、左も馬鹿、そもそも無関心のその他大勢はもっと馬鹿。このくらいの花火を打ち上げんと、効き目がないだろう。ガハッ」

衆愚政党の民主党、もはやこの事態の収拾する手はなく、都が島を購買する前に「国有化」を発表した。
日本と中国の船が島に吸い寄せられてきた。その様子が、衛星からリアルタイム映像として送られてくる。石摩羅はじっと見ていた。 無数の船が、海に白い尾をえがいてぐるぐると渦を巻い
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