とまとひとはここのねだん/あらい
 


葬列 ものくろのいしを蹴る
切実な詩情など、草々

皮革の風船が、このようなとき、ひろった
カベに貼り付いている過去に魔法がある

レプリカのあかり ナルシスの鏡
鳴り止まないベルが しずかに曇った
紬とあたたかいって、リズムを刻むんだ

未読の花びらの見知らぬ窓向こうを語る

目の前にある 
深いコーヒーの 
ひかりとおんなじ

初潮にみられた果実の台座が超えた
見知らぬ色が交差し、まるで丸いカゲ
角度はにぶく蒼いだけ イマだけ

また、語られないテーマパークに込められた
全ての指先が やがて飛び込む、その姿は、

落ち葉の上に、またひとつ。
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