途中下車の日々に/森田拓也
 

秋の蝶どこからか来てどこかへと

砂時計落ち切りて午後酔芙蓉(すいふよう)

?の殻この世の何にしがみつく

宿題の夜長消しゴム転がす子

得た夢と失った夢?の殻

始まれば終はりのありて冬隣り

薄紅葉きのふの色も想ひ出す

湯通しに部屋中香り山椒の実

鳥渡り風吹きわたる夢の中

落つる栗ニュートンのごと眺めゐて

光氏(みつうぢ)は女ったらし式部の実



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