安い靴下なんか買うもんじゃない/奥畑 梨奈枝
 


変異・流転・変化していく恐怖
やみくもにハンドルを切り視点をブラシ
目の前のスリルに先行きを無視する

死ぬ
動かせない事実
変わらない、ただ変わり続けること
生きる
来た道を引き返すことにはならない
どのみち濡れて帰る帰路
足跡には雪が降り積もる

中身のないペットボトル
部屋に敷き詰めた
うわごとが凍りついて
血を這う書類チラシ類が
紙魚みたいに粉を散らし
空いたまま塞がらない
安い靴下なんか買うもんじゃない
鬱血した心と個
集団し糾弾、救難信号

自棄のまま生きてきて
ふと立ち直ろうと思い立ったとき
やり直しの利かないような
保証も確
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