数式の庭。原型その1/田中宏輔
のとなるということ。
これは、まったく新しい知見であった。
*
これまで考えていたこととは逆だと思った。
あらためて考えてみよう。
文章を書いているとき
意識を集中させて作品をつくっているときの
忘我の状態にまで至った場合だが
そういうのは
そのほとんどの場合が
メモや引用の詩句や文章を
コラージュしているときに起こったのである。
これまでは
それらの言葉が
自動的に言葉同士
結びついていったように考えていたのだけれど
じつは
それらの言葉は
わたしという時間を通して
あるいは
わたしというものを
いわ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)