数式の庭。原型その1/田中宏輔
 
きのう、たくさん言葉を書きつけたのだけれど
寝ようと思って
電気を消して
横になっていると
ふと
このように思われたのである。
いまは
確信している。
ぼくの外にあって
けっしてぼくとはならないもの
けっしてぼくとはつながらないもの
それはまた
時間ではないもの
場所でもない
出来事でもない
そういったものがあって
ぼくの数式にも
ぼくの思考にも
いっさいの影響を与えないものがあると。
そういったものが
存在していると。


*


あのような言葉で説明したつもりになっていたが、
いったい、あれで定義と
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