数式の庭。原型その1/田中宏輔
 
ものかもしれない。
文法のようなものであろうか。
そう考えたこともあった。
この数式の庭で言えば
定義である。
定理である。
すると
それは、わたしのなかにもあることになる。
わたしのなかにも
という言葉のほうが適しているが
しかし、それではいけないことに気がついた。
より基本的なもの?
定義より?
そうだ。
わたしをわたしたらしめるもの
けっして、わたし自身のなかにはなくて。
他のものもみなすべて
それら自体としてあらしめるもの
けっして、それら自身のなかにはなくて。
けっして、わたしにはならないもの。
けっして、わ
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