数式の庭。原型その1/田中宏輔
外からやってきて
わたしの外にあるのと同時に
わたしの内部で
わたしの思考に働きかけるものも
わたしの思考の逐一に従って異なるものなのだろうか。
あるいは
それは
つねに同じものなのだろうか。
同じものでさまざまに異なるものなのだろうか。
ひとつの顔における
さまざまな表情のように。
ひとつの式における
さまざまな変形や展開のように。
*
わたしの外にあって
わたしの内部に入ってくる
それは
けっして、わたしにはならない
わたしになることはない
それは
わたしがいないときにも存在するのだろうか。
わた
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