数式の庭。原型その1/田中宏輔
 
未知なるものへと向けつづけなくてはならない。
それと同時に
過去に堆積したフェイズとアスペクトについても
怠ることなく検討しつづけなければならないだろう。
まさしく、ゲーテの言葉どおり
生きている限り、努力して迷うものなのだ。
そうだ。
生きている限り
迷いつつも努力しつづけて
考えつづけなければならないのである。
天才であったゲーテでさえ
生きている限り、努力しつづけたのだ。
わたしなど、どれほど努力しても足りないものであるだろう。
自己と
自己につながるあらゆるものを。
自己につながっていたあらゆるものをも。
自己につながるであろうあらゆるものをも考察しつづけよう。
たとえ、自己につながらないであろうものがあるとも予感されようとも。
自己につながらないものがあるとしても
その存在の可能性をも考慮に入れて
さらなる知識を求め
さらなる知見を得て
考えよう。
考えつづけよう。
考えることが、わたしなのであるから。
感じつづけるとともに。




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