数式の庭。原型その1/田中宏輔
このようなことを考えたことがあるのだが
あらゆる集合における部分集合である空集合が
全体集合の部分集合である空集合に等しいのであるが
個々の人間を包み込んでいる魂もまた
それは、ただひとつの魂であるのではないかと
わたしには思われたのだけれど
数式の花たちが、突然、姿を現わし
変形と展開をし終わったあと
しばらくして
数と記号に分解する様子を見ていると
もしかすると
数式の花をめまぐるしく変形し展開させていたのも
人間を包み込んでいたものと
同じ魂ではなかったのかと思われたのであるが
いったい、どうなのであろうか。
わたしの目にまぶしく輝
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)