イエローウォーター/おまる
ート最上階の物置に忍び込み
とりあえずそこで一夜を過ごすことにした
そこは恐ろしく汚い所で捨てられたモノが
再び使用されるのを何時とは無く待ってる
錆びたオーブンやらバス・アイテムやらを
電灯が点滅しながらそれらを照らしていて
小市民的幸福の痕跡みたいなものを燻らせ
僕はと言えば殆ど精神的ホームレスになり
ただこの孤独が心地よかったのを覚えてる
それまでずっと胸を煩わせていた心の闇を
とりのぞいてくれるのはこの孤独だけだと
夜の東京の高層ビルの景色のその美しさが
目の前に現れて僕は自分の実体を実感した
トーキョーの人はどんなふうに眺めてるの
もう一週間くらい誰ともしゃべ
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