依存症/涙(ルイ)
響いてる
だからひとつとして 必要じゃない音なんてないのだと
丁寧にせつせつと謳い上げるミヤジの声が
優しくて優しすぎて 思わず思わず泣けてくる
ボロボロボロボロ 涙があふれて止まらない
悲しくなんかない
悲しいわけなんかない
いなくなるのはいつだって相手のほうで
いつものパターン
あんな奴のために涙流してるわけじゃないんだからね
一粒の涙だって あんな奴のためだなんて冗談じゃない
あたしにはやっぱり ひとりが似合いなのよ
あのしつこい電話にも 今日からはもう煩わされることもないし
もう二度と 二度と誰にもあたしの心に
土足でズカズカ入りこま
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