ふたり/
 
窓ガラスの向こうは
灰みたいな霧雨
しっとり濡れたふたり
長い沈黙はお互いを窺っている
温かい珈琲をブラックで飲み
空気が微笑んだ途端に
外の世界は滅んでゆく
ドアの鍵を掛けたその手で
冷えた手をそっと握って
唇と唇が触れた
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