五行歌 矢のように/ヒロセマコト
日めくりカレンダーが
風でパラパラとめくれ
ちぎれて飛んでいく
慌てふためく私を
置き去りにして
ひっくり返すことのできない
残り時間もわからない砂時計
私が生まれると同時に
テーブルの上にことりと置かれた
今も見えない砂をさらさらと落としている
すべきことは山積み
したいこともたくさんある
それでも私は生き物だから
働いたり眠ったりする時間を
なくすわけにはいかない
死ぬ間際に多くの人が
もっと自分に正直に
やりたいことをやっておけばよかったと
後悔するというが
それはきっと、私にも約束されている
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