最果て、待つ人魚/秋葉竹
 
それで、いいから早く夜になればいい

金色の人魚が棲むという
おおきな池の水は澄み
しあわせいろの波が立ち
孤独が流れて消えてゆく?

秋の森には、青いそよ風が吹いて
森の中のおおきな池には
いつからか、
金色の人魚が棲んでいるらしいのです

それをみたものは
池の底へ連れてゆかれるという
永くこの池に棲みついた
長い髪をしたやさしげな笑顔の
金色の人魚、
秋の夜にはさみしげな歌を歌う
金色の人魚、
しずかなこころもちで、
いつも
いつまでも、
いつも、
いつまでも、

最果てのだれかを、
じっと待っているらしいのです








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