約束の地/由木名緒美
がすでに素敵だよ
もうアメイジングラブリーだよ
みきちゃんが笑う。
「なにそれ?」
私も笑った。
……頑張りすぎなくていいからね
少しは休んでね
出来るって100%じゃなくていいんだよ
51%でいいんだよ
満天は星空だけでいいからね……
ソルフェジオ周波数の音楽が静かに流れる。
「ほんとに寝ちゃいそう……」
みきちゃんがベンチにもたれた。
「音楽かけていい?」
「いいよ」
私はサノバロックのプレイリストから一曲ずつ選んで掛けた。
春が来ないと嘆き悲しむより
冬を忍び待てる大人になろう
みっともねえな、そんなむき出しの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)