約束の地/由木名緒美
 
かがゲームのコントローラを持っているみたいだね。……なにか肉体とは別な……それって誰なんだろう?」

みきちゃんは少し目を丸くすると、相槌を打った。

「その「誰か」が何者なのかは分からないけれど……科学では解明出来ないシステムがあるってことなんだろうね。現実ってね、想ったことを叶えようとするエネルギーが働くらしいよ。だから、うんと幸せな想像をしよう。新しい場所に導かれるように連れられて、人生が好転していくんだって。親友にも出逢えるし、最高のお医者さんにも出逢う。パートナーだって見つかる」

「うん」
ゆきちゃんは小さな声で頷いてから、震える声で呟いた。

「……いつも希死念慮が
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