ちきうぎ/なけま、たへるよんう゛くを
ここに地球儀がある
私はそれを右回りにも 左回りでも回す事ができる
私は世界の王様なのだ
私は世の中に満足している なぜだろうか
私は目が悪い
私がすぐ満足してしまうのは
身近な世界しか見渡そうとしない人種だからである
世の中とか世間というのは大抵 見える限りのわずかな事物から
シミュレート的に立ち上がってくる誇大妄想にとどまる
実物を隅々まで知り尽くして語っている者は居ない
近づくことができるだけ その為の努力ができるだけだ
私は特にその権利を放棄してきたので
とても世の中に満足して生きている
ここに地球儀がある
私はそれを好きに回す事ができる
私は世界の王様なのだ
世の中を動かすなどと言うのは
さながらこう言っているようなものだ しかし
アドバルーンやガスタンクのような地球儀を見せられた時には
私は手の中のそれの 小ささをまた思う
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