さよならを見上げて/
ころここ
九歳から十歳になったとき
「もう、次に桁が変わるのは百歳までないね」
そう母親が笑ったとき
とても寂しくて いたたまれなくて
一桁にちゃんとお別れしてない自分が恨めしくて
懐古と愛情と きっと温かさから出た言葉に
私は笑顔では返さずに
きっと今日の私は そんな顔をしている
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