許されざる者/涙(ルイ)
隠れるように隠れるように
息をするのさえ申し訳なく思いながら
ひっそり生きてきました
あの日から
いや 多分そのずっと前から
あの日は日曜日で
僕は取り立ててなんの用事もなく
家でダラダラと 本を読んだりして過ごしていました
世の中の人は 友だちは恋人・家族とどこかへ出かけたり
充実した休みを過ごしているのかな
自分には関係ない世界だけど なんて思いながら
本にも飽きて たまたまつけたテレビに映ったその光景に
僕は激しく動揺し そしてものすごい戦慄を憶えました
トラックで歩行者天国の人ごみの中を突っ込み
さらにナイフを振り回して 次々殺傷していっ
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