古い夢はただの眠気/秋也
 
家の長い廊下
電気はぼんやり

古びた胴長のしましま猫
兄のお気に入りのぬいぐるみ
可愛さ半減

「にゃっ にゃ にゃあ〜」と機嫌良く
天上を這い
夢の中で僕を襲う

一番古い夢の記憶

記録程度に留め置く
波が寄せても消えない
砂の落書きみたいなものだから

夢と詩と記憶は混ざってこそ

混ざってこそ
混ざってこそ
混ざって
交わるように混ざって

今日も遠い眠気の狭間へ
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