きみが天使であった頃/森田拓也
 
 何回だって言うよ 世界は美しいよ
   君がそれを諦めないからだよ

          ──羊文学



変はりゆくその柿の木も遊ぶ子も ?

移りゆく柿の木もまた遊ぶ子も ?

名をひとり思ひ出されず秋の恋 ?

いわし雲秋の夕焼けで焼いてます ?

柿の木に悪童の笑み秘密基地 ?

秋草の中に絵になる花ひとつ ?

流暢に蜩うたふ上手かな ??

あのひとの幸せ願ひ流れ星 ?

茸高くしめぢにて炊くご飯かな ?

読経のコラボお寺と法師蝉 ?

秋は風呂ぼくの俳句もええ加減 ?

こまやかな風生む秋の小蝶かな ??

機織(はたおり)といふ名美しきりぎりす ?

古き書に天使論あり秋愁ひ ?
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