眠りわずらい(秋の夜長に・・・)/田中教平/Kou
秋の夜長に眠れない
眠りわずらい
抱えてひとり
私の呼吸は不器用だ
きっと長年の喫煙が関係している
今瞼が腫れているように
重たいが
眠れないんだよ
それは小事に過ぎない
しかし火照った頭にとって
なにぶん大事のような気もする
星が
空を焼きつけている
私は
おお
やっているなと思う
書斎にマスカット味の水を持ち込み
シトラスの薫りを嗅ぎながら
キーボードを叩く
微弱な力の放散で
どうにかこうにかなる気もする
分からない
分からないから良いとも思う
すべては流れてゆくし
すべては流れてしまった
残像の私は口を噤んだ
じぶんの饒舌に恥ずかしくなっちゃった
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