あ、それ僕の、/アラガイs
 
の山道沿い、こんな遅い時間に人が歩いてる訳はない。
それでも……
どれくらい凹んでるのか、一体何にぶつけたのかな、
と、気になり出したら止まりません。
けんちゃんは二百メートルくらい進んでUターンしたそうです。
ライトを点けてバンパーを見てみました。
   あら〜 かなり凹んでるよ
そして何か物体が転がっていないか、周囲を確かめました。
しばらくすると後ろからライトバンがやって来て
灯りに照らされたのは皺だらけの顔をした野球帽おじさん
脇のほうに倒れている獣らしき物体を、う〜ん、う〜ん、
、と重そうに運んでいきます。
そして、モノの見事にライトバンの中に放り込みました。
    まだ子供の猪でした。
猪はピクリとも動きません
けんちゃんは咄嗟に声をかけたそうです。
  あ、おじさん! それ僕の……




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