恋愛小説/青色銀河団
 

あなたの胸に
耳をあて
わたしは
あなたの遠い過去を
あなたの遠いさざなみをきく

風に揺れる草や花
春の雨が黒く濡らす樹木たち
やわらかな若葉を しずくがつたうだろう
やさしい水のおとは
生まれるまえの
しあわせな記憶を
思い出させる

こうして目に見えるものは
きっと存在の一部にしかすぎなくて
肌をあわせることでしか 伝えられないもの
生まれるまえからの
たしかな約束


わたしは あなたの 海のさざなみを
いつまでも きいていたい



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