想い河/
まーつん
にも導いてくれない
そして、
どんなに泳ぎが上手い魚でも
流れそのものを作ることは出来ない
だから、
もがき苦しみ血を吐いて
腐りゆく時の中で、人の形を取り戻し
裸の身体を震わせながら
岸辺に這い上がり、素足で歩き出す
生き方を変える、とは
誰にとっても
多分そんなふうに
骨の折れる仕事
出来れば、したくはないけれど
せずには済まない時もある
魚から人にもどって
内なる世界をさ迷うのは
もっと美しく
澄んだ流れに出会うため
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