想い河/まーつん
さい、と
その川が海に至るなら
魚となって身を任せ
容易く生を全うし
始源に還るだけのこと
暗渠や淀みに途切れる川なら
行き場を無くした魚は
泳ぎ方を忘れ
重く濁った迷い水に
鱗は剥がれ、鰓は詰まり…
人の意識が土くれならば
思いはそれを叩く雨
草木や花を育みもするが
止まないままなら川となり
周りを押しのけ流れ出す
人の生き様は
それを辿る魚
心地よい流れに乗るうちは
押されるままに川を下り
何も考えず尾を打ち振る
幸せとはそういうもの
だけど時々、気づいてしまう
出口のない暗がりにいる自分に
水は腐り、勢いを失い
何処にも
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