Reason/
リリー
霧が匂う
隠された風景の先を見ている
霧はたえず
その気配でただようしかなく
歩み出れば崖っぷちに咲く野の花の細い茎を
つかむような愛ならば
もはや私に
緑なきものと知りながら
信仰の果てに行きついた老人の様に
このままの姿をくずさない
唯一人 自分を愛そうと願いながら
この夜は
私の小さな、
しかし固さを嘆いている
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