じいさん/
藤山 誠
数十年前にどくどくと輝いていた目玉は
今はくすんだ鈍色に光っている
毎日がくがくと腹を立てていた神経は
今は誰かに怒られないかと怯えている
鈍くなっている
鈍くなっていることに鈍くなっている
ある日突然気がつくまで
どろどろの鈍さに浸かっている
物心ついたころ引っ越し先で
初めて近くの公園で遊んだあの極彩色の日を
いまでも忘れることができずに
思い出すことに時間を使う
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