午後からの雨/山人
正当化したとしても、他者からの評価は変わることが無い。そうした時、次第に言葉は失われ、淡々と一歩づつ山道を下るという作業に徹する。山道は土だけの部分は少なく、大きな石の連続で、地形的には複雑だ。故に一歩づつ踏み外さぬよう、歩くことに集中しなければならない。一つの転倒が骨折に発展する場合も普通にあり得ることなのだ。
車に着いたのは午後五時を回っていた。一応計画の十一日間のうち、八日が経過したということである。
連休二日目の今日は悪天が予想されており、山の除草は回避し家業に専念することとしていたが、さほど仕事量は多いわけではなく、午前中は多々雑務をこなし、Aコープに足りない食品と自分が食する食
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