傘は要らない/ホロウ・シカエルボク
 
ていて、週末なんか時々、昼間っから満たされた顔で店舗から出て来るやつを見かけたりする、俺?俺は利用しないよ、個人的な欲望の為に数万も金を使うなんて馬鹿げてると思うんだ、まあ、もとよりそんなことに使える金なんか持ち合わせちゃいないけど、例え持っていたとしてもさ、属性の遊びに身をやつすよりも、もっとずっとエモーショナルな愉しみを俺は知っているからね、なによりそいつに必要なのはラップトップとこの俺だけときたもんだ、結局さ、快楽の欲望だの趣味嗜好だのって、そいつ自身が何を見つめ、何を考えて生きるかっていうことなんだよ、すべては繋がっているのさ、日常を少し踏み外さなけりゃならないのなら、君が信じているものは少し間違っているってわけ。


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