傘は要らない/ホロウ・シカエルボク
 
たけれど、それほどのものではない、賑わっているというほど人間なんか歩いてはいない、まあ、最近は随分外国人を見かけるようになってきたし、新しい店も増えてはきたけれど、どこか終わってしまったような雰囲気は拭うことが出来ない、子供の頃からここを歩いている、昔は真直ぐ歩くことも難しいくらい人間が居たんだぜ、知っているはずなのに信じられない、この街は人口減少ランキングにランクインしている、何もかも失われたのに、まだ昔のやり方でなんとかなると考え続けて、ただただ落ちぶれていく、人工呼吸器に繋がれた人生は生きていると言えるのか、人道的な話じゃない、魂の根源の話をしているんだ、古い店に挟まれるように開店する新しい
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