荒地の花/ひだかたけし
白銀の氷柱
ずんずん伸び広がり
揺れ震えながら
やがて静止する処に
暗む青紫の花 、
ぽっと一輪咲き開く
冷え切った大地に
やがて打ち付けられ
亀裂の力動の悩ましく
振動の響き奥まりゆき
何処までも時を練り込み
練り込まれる時炸裂する
白銀の瞬間 、
峻別すべき私性と宇宙の
無限の距離の露呈し尽くして
ずんずん迫り来る宇宙の木霊
揺れ震えながら感傷の皮を剥ぎ
新た咲き開く青紫の花、
今に静止スル宇宙の木霊に
するする明るむ自らの色彩
青紫の艶麗を捧げ尽くす
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