荒地の花/ひだかたけし
 
白銀の氷柱
ずんずん伸び広がり
揺れ震えながら
やがて静止する処に

 暗む青紫の花 、

ぽっと一輪咲き開く
冷え切った大地に
やがて打ち付けられ
亀裂の力動の悩ましく
振動の響き奥まりゆき
何処までも時を練り込み
練り込まれる時炸裂する

  白銀の瞬間 、

峻別すべき私性と宇宙の
無限の距離の露呈し尽くして
ずんずん迫り来る宇宙の木霊
揺れ震えながら感傷の皮を剥ぎ

  新た咲き開く青紫の花、
   今に静止スル宇宙の木霊に
   するする明るむ自らの色彩
  青紫の艶麗を捧げ尽くす   


戻る   Point(5)