暗号ver2/パンジーの切先(ハツ)
 


腹が立って、
うんと、とがらせた脚の爪先で、地面に、いくじなし、と大きく書いてみる、

それからは、すっかりくたびれた脚を引き摺りつつベンチに座って、

「てんしには眉毛がないようだ、」

と、ノートに付け加えて、
あたしは、あたしに書かれることによって、よごれていくぽえむのことを迎えにいくつもりだ、

脊椎動物には、いのりは無理だと、決めてかかっている、
対岸にいるぽえむたちに、
あたしは、この両腕から生えたばななを渡して、友好のあかしにしたい、

ああ、あたしの身体のどこにこんなあざやかな、黄色い夏の断片があったの、
雲が高くて、下を見るのがとても、こわい、
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