水辺/ryinx
 
 浅瀬、少し水に浸かる
 動かしえない程に固形化して
 微かに、揺れていた

 さざなみに瞼が閉じて、
  浮かぶ影に

 横切る、淡水魚に
 捕まえられる、その光景は

 いつか見たゆめのなかで
 白い椅子に、揺れて

 遥か遠くを観ている 剥製の小鳥
 青色の空気のなか

 いつか解けだす蝋を、待っている
 幻の裏側へ、移行する、

 夏の熱気に溶かされて
 錠剤の一粒が指から零れて、

 伸ばした手の先に、

 剥製の眼の僅かに動くのが
  視野の端に


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