水辺/
ryinx
浅瀬、少し水に浸かる
動かしえない程に固形化して
微かに、揺れていた
さざなみに瞼が閉じて、
浮かぶ影に
横切る、淡水魚に
捕まえられる、その光景は
いつか見たゆめのなかで
白い椅子に、揺れて
遥か遠くを観ている 剥製の小鳥
青色の空気のなか
いつか解けだす蝋を、待っている
幻の裏側へ、移行する、
夏の熱気に溶かされて
錠剤の一粒が指から零れて、
伸ばした手の先に、
剥製の眼の僅かに動くのが
視野の端に
戻る
編
削
Point
(11)