名は体を/木屋 亞万
 
言葉には名前を書けはしないけど
自分から出たものならば
すでに似たのがあったって
悪いことではないだろう
昼と夜の献立が
被るくらいの話じゃないか

働いて帰って眠って
働いて休みは遠い
働いて他の誰でもいいものを
毎日毎日働いて
対価のはずの給料も
暮らすだけで消えていく

存在の芯から
脱いだ靴下の先まで
愛してくれる人なんて
いてほしいのにいないまま
希望や光にまみれた歌の
くどさは人工甘味料

ひねくれた子どものころに
ここに来たもんだから
もういい年になっても
子どもと変わらない
斜に構えては虚勢を張って
テントは骨も皮もずたぼろ

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