理由/九十九空間
 
「あなたは 15歳の子供は こんな醜悪な場にふさわしくない
少なくともわたしはそれを知っている
もっと美しいものを受けるに値する」  
                 (ヤマシタトモコ『違国日記』1巻)
             

僕は いま ここで 僕に必要な言葉を
受けられるとは限らない
僕は 僕に必要な言葉を知らない
あなたも 
いま ここで 僕に必要な言葉を知らない

僕が小学校に行かなくなったとき
先生も お母さんも
僕が本当に必要としている言葉を
与えてはくれなかった
僕もそれを知らなかった
僕はまだ 一次方程式も解けない子どもで
そのようにある
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